―自分を好きになる教育― 汗を流して夢中になって遊ぶ経験

子どもの学びは、繰り返し
子どもは、手で学び、心で学ぶ。
心に語れば、心に刷り込む
すてきな出会いも心に刷り込む。

7月の風が、軽やかに吹く。
子どもは、風を心で受け
7月の雨を、おでこで感じる。
つばめが、風を切って飛ぶ7月。
子どもの顔が、雨に光る。
ほら 夏が近くまできてるね。

7月を迎えて、年長組は自然豊かな「君津亀山少年の家」でのお泊まり会。
お父さんお母さんがプレゼントしてくれたお泊まり保育を迎えます。
君津の宿泊は、房総半島中央の自然施設だけに、利用条件は厳格です。
施設の使用は幼児であっても、中・高生と同じルールが適用されます。
清掃・ベッドメイキング・消灯時間・室内の使用ルール・清掃の仕方は、厳しいチェックが入ったりします。
年長の担任は何回も下見をして、綿密な打ち合わせを重ねています。
子どもたちも、先生たちから山登りやローカル線での行程などを聞いたりして、楽しみと不安の気持ちが交差して過ごすようになります。
お泊まり会の課題は「達成感」です。
「自分のことは自分でする」「約束と時間は守る」です。
出発が近づいてくると
「いのししがいるってほんとう?」
「へやのなかに、はいってこないんでしょう?」
「山登りは、どのくらいの坂?」
と尋ねてきます。
あの東日本を襲った津波の災害以来、夏の臨海教室を海から山での林間教室に変更して3年目。
体育館やプラネタリューム等の施設も完備し、ドーム球場より広大な自然に恵まれた人気の高い「君津亀山少年の家」を今年も利用することができました。
千葉県のチベットといわれる森林が深いこの地域は、日本サルの群れ・イノシシ・鹿・リスや野うさぎが繁殖して、住宅の間近まで降りてきます。
この「君亀少年の家」から見る満天の星空は最高です。
そしてその星空の下、森の広場での夜の集いは妖精が踊るようなファンタジーの世界です。
火花を巻き上げて燃えるキャンプ・ファイアー。
先生が語るファンタジーなお話。
みんなで踊るダンス。
五輪の輪のように広がる花火…
子どもたちを魔法の世界へ誘います。
最後に私も大きな声で「山賊の歌」を歌います。
雨 が 降れば
小川 が でき
風が ふけば
山が できる…
子どもたちは夜空を照らすキャンプファイアーの火の粉を見上げながら、チョッピリお母さんやお父さんの顔を思い出し…その思いを吹き飛ばすように、星空に向って元気に歌います。
自然の森の中で生活することで、自然の色・息遣い・匂い…を肌で感じます。
まきを割り火を起こす体験
大きな釜で米を磨ぎ、米をたく経験
野菜を流水で洗い、包丁で切る体験
食器や鍋や釜を片付ける経験
テーブルやいすを友だちと協力して運ぶ経験
夜道の歩き方、でこぼこ道を歩くコツ
山道を歩き、坂を上り、坂を降りるコツ
息のすい方、吐き方
自然の中で友だちと共に生活をすることで、それぞれの経験や知恵を出し合って、汗を流して達成する喜びを学ぶ。
深い緑に包まれて、芝生の丘に寝転んで満天の星空をながめていると、子どもたちの大好きな「トトロの世界」です。
この森の中でゆったりと緑の空気を吸い込んでいると、伽噺に出てくる妖精や小人たちが側転をしたり、坂を滑り降りたりする姿を想像できるのです。
君津亀山の魅力の一つに、直径50m以上の大きなすり鉢状の芝生の広場。
この芝生の傾斜を、子どもたちはダンボールを利用して滑り降ります。
大人も子どもも歓声を上げて滑る…あの爽快さは格別です。
最初はおずおずと尻込みしていたのに、サーファースタイルで滑降する子も出てきたりします。
今年も夕食前の広場で、子どもたちは美しい夕焼けを背に受け、歓声をあげて躍動することでしょう。
朝は森と宿舎が朝日の中で霞みます。
様々な鳥の声がにぎやかです。
土手すべりの疲れでぐっすり寝た子どもたちが、元気に声をかけてくれます。
「おはよう」「おはようございます」洗面・歯磨き・着替え・部屋のお掃除…
陽が当たる大きな食堂での新鮮な地物の野菜や牛乳…バイキングスタイルの食事。
いよいよこの日に向けてトレーニングしてきたトレッキングの準備です。
園バスに分乗して30分、整備された清澄県民の森の登山口に到着。
山登りの心得を聞いて準備運動。
迷い路のように続く登り路をお互いに励まし、声をかけながら30分ほど登ります。
最初は、にぎやかな声も、吸う息、吐く息で黙々とひたすら登ります。
それだけに頂上に立ったときの感動。
最後のグループが登ってくると、全員で「よくやったー」「万歳」をします。
このコースは初心者コースですが、大人でも結構息が切れます。
特に下りは、お尻で滑り降りるような箇所もあります。
登りと異なり距離が長いだけに、緊張感で子どもたちは黙々と歩きます。
私も今年で4回目になりますが、子どもの先頭で登れるように、エベレストにチャレンジした三浦雄一郎さんにならってトレーニングに励んでいます。
7月は夏の計画をたてる季節ですね。
夏は自然から学ぶ季節です。
そして子どもがたくましく育つ季節です。

1

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< June 2013 >>

selected entries

categories

archives

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode