― 子どもの心に夢が降る ― 幼いときにみる夢にいつの日か出会う

大きくなったら何になりたい?
サッカーの選手・お花屋さん・ケーキ屋さん・仮面ライダー・プリキュア・野球の選手…次々になりたい自分を語ります。
地元のCATVで放送された健伸幼稚園・年長さんのインタビューです。
「ハトになりたい」「えぇっ!ハト?」「うん、空からいろいろ見えるから」「東武野田線のうんてんしゅになりたい」「お仕事で遅く帰るお父さんをのせてあげたいから」
子どもの夢はフェアリーな世界と、現実の世界が交差して楽しいですね。
「いっぱい生きてきた先生の魔法の知恵をプレゼントするから、みんなの元気の手と握手しよう」
サンタ・お年玉・ミッキー・ムーミン・スノーマン・雪・霜・氷柱…
冬の空には子どもの夢が輝いて、子どもの夢を温かく包んでくれます。
子どもにとっては、冬は夢世界なのです。

子どもの夢によりそう

どこの国でも子どもにとって12月は夢世界です。ニューヨーク五番街の豪華なショーウインドー、オモチャの列車が、カタコトと走る…夢世界。子どもたちは足踏をしながらウインドの夢ステージに頬をこすりつけて見入ります。

親愛なる 編集長様
わたしは8さいです
ともだちのなかに「サンタクロース なんかいない」と言います。
パパは「サン新聞に聞いてみたら」といいます。
本当のことをおしえてください。

バージニア オハンロン
5番街西115番地

1897年9月のある日、新聞社に8歳になるバージニアという少女から「サンタクロースはいますか?」という手紙がきた。副編集長フランシス・チャーチは、社を代表してバージニアに心を込めて返事を書き掲載する。

「そうです、バージニア。サンタクロースはいますよ。みんなの中に、愛、大らかな心、世の中に尽くす心があるのと同じくらいにサンタクロースは心の中にいるのです。もし目に見えるものだけ信じて、サンタクロースの存在を否定してしまったら、バージニアのような夢見る子どもが一人もいなくなって、つまらないものになってしまいます。人の世を和ましてくれる純真に信じる心も、詩もときめく物語もなくなってしまいます。手にふれ目に見えるものだけにしか楽しめなくなってしまいます。サンタクロースを信じないですって!それこそ妖精を信じないというのと同じでよ。」
(近江誠 感動する英語 文芸春秋)

反響はすさまじく多くの人々から「子どもの心を大切にしてくれた」と感謝と激励と共感の手紙が寄せられたそうです。以後半世紀、バージニアの手紙は、廃刊になるまでクリスマスの頃になると掲載されたそうです。わたしはこのお話が大好きで、この時期になるとご紹介します。子どもの目線にたって、新聞社のスタッフが子どもと夢を共有している姿に感動します。

子どもは肌で心を読み取る

子どもたちは、口先だけの大人の媚びを見抜く目を持っています。
子どもとイメージを共有して夢をいっぱい膨らませることができる親や教師を信頼します。わたしは、子どもを喜ばせることを日々、たくらんでいます。園庭に山を造ったり、穴を掘ったり、大きな滑り台を造ったり、なぞなぞ、手品…あれこれ工夫し、楽しんでいます。
クリスマスのシーズンには、ゴージャスな衣装を着て、サンタになりきります。翌日、子どもたちは「あのネー、サンタクロースさんからキャンディーをもらったの、いいでしょう。せんせいもくればよかったのにー!」と報告してくれます。その瞬間、たまらなく幸せになります。「じつは…」などとは決して云いません。
私がイメージするサンタは「ホッホッー」っと大声で笑います。
鏡の前で何回も何回も練習します。
もう15年位前になりますか、フィンランドのキッティラー空港から一時間、北極圏に位置するラップ地方の「サンタ・スクール」へ草野・久米先生と一緒に入門したことがあります。スノーモービルに乗って雪山の奥深くに入って、クリスマスの木「トーヒ」の伐採そして装飾やクリスマス料理の実習や門試験を経て「サンタクロースの情報官であるトンツーのディプロマを取得しました。
サンタのふるさとであるラップランドでは、サンタクロースは「耳の山」に住んでいたと伝えられています。そのサンタに子どもたちの日頃の行いを報告する役割が「トンツー」です。最近になってサンタはロバニエルに引っ越しました。ロバニエルにはサンタクロースの郵便局もあって、そこから世界中にサンタクロースとクリスマスカードが発信されます。

ワクワクドキドキする世界

日本のおとぎ話、ドイツのメルヘン、イギリスのフェアリーの世界は、ドキドキワクワクする世界です。
幼児期は夢見るフェアリーの世界で育てたいですね。子どもの特権は夢を見ること、現実から離れた世界を想像し、あこがれることができることです。子どもは、目で見た色、形、量感そして、耳で聞いた音、お話、風景、喜び悲しみ、寂しさ、恐ろしさを、子どもの感覚でそのまま認知します。
ですから、子どもらしいドキドキワクワクする夢みるような不思議な世界が、子どもの心の中に描かれているのです。ですから子どものお話や絵がすてきなのです。この夢の世界の蓄積されて、その子の個性や特性として「キラキラ星」「感性」になって、人生を支えてくれるのです。

幼き時に見る夢に、いつの日にか出合う時がある

出雲の市長を務めた岩国さんの言葉です。
母と子の家庭で育った岩国さんは、野良仕事をするお母さんに、あの役所の村長になってお母さんを幸せにしてあげることを誓ったそうです。
アメリカの大きな証券会社の副社長を勤めた岩国さんは、お母さんと約束したように故郷の出雲に戻り市長になりました。
子どもが「志をたてる」ことは良いことです。かっての歪んだ学校教育の反動でしょうか「志」と言う言葉自体が否定されてしまいました。志は、夢を実現する力です。
お父さんの「どきどきした体験」、お母さんの「幼いときの夢」、お父さんとお母さんの出会い・お正月のこと…お正月には、コタツにでも入ってミカンを食べながら子どもと語り合ってくださると、子どもは目を輝かせて夢の世界をさまよいます。
3.11以来、不幸なつらい試練の2011年が幕を閉じようとしています。手をつなぐことの喜びも知った一年でした。来る2012年は、さらにこの輪を広げ、子どもを真ん中に手をつないでいきたいと思います。
末筆になりますが、母の会を始め、保護者ご家庭の温かいご支援に感謝申し上げます。輝ける新年をお迎えください。


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